ゲットラ通信 vol.13
今回は、今年の二月に発足された「日本中古トラック査定協会」について、協会を起ち上げた目的など、色々なお話を伺いました。
中古トラック査定協会発足!
編:
濵:
編:
濵:
編:
濵:
編集長→編
濵崎理事長→濵
今回は、今年の二月に発足された「日本中古トラック査定協会」の濵崎理事長にお話をお伺いします。宜しくお願いします。
宜しくお願いします。
早速ですが「一般財団法人日本中古トラック査定協会」について
教えてください。どのような目的で協会は起ち上げられたのですか?
当協会は中古トラックの査定制度を確立させ、トラックを保有する企業の資産価値を正当に評価する事で、資金調達・設備調達などの経営サポートに繋げ、日本の流通に携わる企業の健全化と安定を目的としています。
具体的には簿価を実勢価格に評価し直す事で、決算書に保有するトラックの実際の価値を計上できるようにします。
その結果、決算書の改善が行えるようになります。
運送会社の企業価値をあげるということですか?
そうです。市場とかけ離れて償却された簿価を実態に戻すのです。
評価されない運送業の決算書
編:
濵:
編:
濵:
つまり現在の運送業は、過小評価されていたという事ですか?
そうなりますね。
例えば、ある企業が1200万円の新車を導入し、法定償却をします。すると、初年度の償却額は600万円になります。
月の償却額は50万円です。このクラスの車両での売上は月100万前後と予測できます。
車両費が売上の約50%では、黒字になる会社はありません。
確かに、そうですよね。
成長企業が増車などで新車を導入すると、赤字が増えてしまうのですね。
その通りです。
翌期に運転資金の調達で困る事はよくある話です。
税理士に左右される運送業
編:
濵:
編:
濵:
車両(トラック)を売却して赤字を補填する企業があると、よく耳にします。
そうなんです。『これから稼ぎ時』という時に、車両を運転資金や赤字の補填に泣く泣く手放す企業が多く見られます。
これは償却処理が早すぎるため、経営の足を引っ張っているという実態があります。
償却するスピードを調節する事はできないのですか?
できます。会計上は償却は自由なんですが、早く償却する税理士が多いのが実情です。
金融機関も償却不足としての評価しかできないのが、運送業の経営を苦しめる要因になっています。
高い中古トラック 低い資産価値!?
編:
濵:
昔から中古トラックの市場は活況です。新車の価格と比較しても、一年で50%も下がりません。
市場の価格(実勢価格)と決算書上の評価のかい離が、運送会社の経営を悪化させている要因の一つです。
日本の自動車(トラック)は海外からの絶大な信用があります。そのため十年以上経つ車両でも、新車価格の
1~4割程の価値があります。これが帳簿上では1円なんです。
金融機関にも嬉しい新しい評価方法
編:
濵:
編:
濵:
まだまだ、こんな実態があるのには驚きです。
新しい評価方法は運送会社にとって、とてもいい話ですね。
ありがとうございます。当協会の評価方法でメリットがあるのは運送業だけではないんです。
銀行やリース会社にも、嬉しいメリットがあるんですよ。
どんなメリットがあるんですか?
例えば、金融機関の取引先が赤字になっていると、〝要注意先〟や〝破綻懸念先〟といった評価をされ、
貸倒金の積立てや新規の取引ができないなど、金融機関にとっても厳しい対応になります。
しかし当協会が実勢価格で評価する事により、多くの運送会社が簿価よりも高い資産を持っている事が分かります。
すると、金融機関にとっても新しい融資先ができますし、リース会社にとってもリース枠を増やす事ができたりと、
多くのメリットがあるんです。
査定の依頼方法は?
編:
濵:
すぐにでも車両の査定を依頼したくなりますね。
査定依頼はどの様にしたらいいんですか?
まずは、当協会のホームページより査定依頼書をダウンロードし、印刷して頂きます。必要事項をご記入の上、
車検証のコピーと査定する車両の写真を一緒にお送り頂くと、査定依頼のお申込みとなります。
お送りいただく方法はメール・郵送・ファックスに対応しています。
査定依頼書
◆査定依頼に必要な書類3種類◆
① 車検証のコピー
② 車両写真
(正面、背面、左右側面の4方向から撮ったもの)
③ 査定依頼書
査定の場所は?
編:
濵:
編:
濵:
編:
濵:
編:
濵:
申込み後の流れはどうなっていますか?
当協会へ査定依頼書と必要書類が届き次第、査定手続きを行います。
また、当協会から依頼主様へ連絡が入ります。
この時に、再度査定の日程と査定場所の確認を行い、査定員の派遣
もしくは査定実施店舗への持ち込みのどちらにするかを決めます。
査定を受けられる地域は決まっているんですか?
例えば、離島でも査定をお願いできますか?
日本全国で対応しています。
依頼主様が希望する査定場所周辺に実施店舗が無い場合は、
査定員を派遣し対応しています。
査定業務実施店舗はどこにありますか?
現在は、関東圏を中心に11店舗と中部・関西でそれぞれ実施しています。
日本全国で査定できるように、実施店舗を増やしており、常に実施店舗を募集しています。
査定業務実施店舗への登録はどうすればいいのですか?
当協会へ一度お電話ください。(TEL.044-455-4291)
その後、実施店舗への登録手続きをしていきます。
査定証は買取保証付き!
編:
濵:
編:
濵:
どのくらいの期間で査定証は発行されるんですか?
査定員による査定が済み次第、査定証を発行します。
依頼主様が指定された住所への郵送も致しています。
また、当協会で発行する査定証は、買取保証付き
(有効期限付き)です。
買取保証付きということは、売却できるんですか?
査定証に記載されている評価額は、実際に売買可能な金額になっているんです。
動産査定の一助になるべく、机上の査定額ではなく、実際に売買可能な評価額(実態)を提示しすることで、ABL(動産・売掛金担保融資)の積極的活用を支援することができます。
ABL(動産・売掛金担保融資)とは
【Asset Based Lending】の略。動産・債権等担保融資のこと。
経済産業省では「ABLは企業の事業そのものに着目し、事業に基づく様々な資産の価値を見極めて行う貸出」と定義している。
事業に基づく様々な資産とは、債権(売掛金等)や動産(商品在庫、原材料、機械設備等)のことを指す。
金融庁では、ABL(動産・売掛金担保融資)の積極的な活用を推進することにより、中小企業等が経営改善・事業再生等を図るための資金や、新たなビジネスに挑戦するための資金の確保につながるよう、今般、金融検査マニュアルの運用の明確化を行うこととしました。
(参照:コトバンクホームページ、金融庁ホームページ)
協会発行の査定証
今後の協会の活動
編:
濵:
編:
では最後に、今後の協会の活動方針やPRしたい事などをお聞かせ頂けますか?
現在、トラックユーザーの経営環境を良くする為の活動を行っており、当協会の活動に賛同・応援して頂いている賛助会員を募集しています。
全国の整備工場や販売店、架装メーカーなどにご参加頂き、トラックユーザーの経営をサポートする活動をご支援頂いております。
会員にはトラックユーザーに有益な情報や、業界の動向などが配信されます。また、整備工場などの車両の点検ができる会員には、査定実施店としても登録して頂く事ができ、車両査定時に必要な点検を協会より依頼する事になります。
更に、賛助会員は当協会のホームページにて記載させて頂いております。
運送業の財務体質や経営環境の改善に尽力し、この業界を良くしていきたいと思っております。
ありがとうございます。
これからも目覚ましいご活躍をお祈りします。
協会のマーク
実はインタビュー終了後に、協会のマークに書かれている「JAVA」という表記について聞いてみました。
「Japan Assets Value Association(日本中古トラック査定協会)」の頭文字をとって、「JAVA」と略しているそうです。
「ジャバ」と呼んでいるそうですよ。